【帰化申請について】

帰化とは?


 帰化とは、母国の国籍を喪失し日本国籍を取得することです。現在、日本では年間およそ1万人前後の外国籍の方が帰化申請許可となっています。

 帰化には「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」の3種類があり、それぞれ求められる要件が異なっています。尚、大帰化については実例がないため、本項では割愛させていただきます。 

帰化の要件


『普通帰化の要件』

 普通帰化の対象となるのは一般の外国人の方です。例えば、日本生まれの在日韓国人の方などは該当しません。(特別永住者・日本人の配偶者)

 要件としては①〈住居要件〉②〈能力要件〉③〈素行要件〉④〈生計要件〉⑤〈喪失要件〉⑥〈思想要件〉⑦〈日本語能力要件〉の7つの要件を満たしていることが求められます。

 

〈住居要件〉とは?

  ・日本国に継続して5年間居住していること

  ・3年以上の就労期間があること

   ※就労期間はアルバイトではいけません。就労系の在留資格を取得し、社員として働いた期間です。

    正社員・派遣社員・契約社員というのは問題ありません。

    転職についても特に問題にはなりません。

   ※出国日数が多くてもいけません。1回の出国日数が3か月以上になると要注意です。また、複数回

    の出国であっても、1年間に200日以上の出国期間がある場合も要注意です。

 

〈能力要件〉とは?

   ・日本国および本国での成人年齢に達していること

    ※20歳以上であることが要件となります。

     ただし、未成年の子が両親と一緒に帰化申請をする場合は、20歳未満でも可能となります。

 

〈素行要件〉とは?

   ・日本国の法に反した行動がないこと

    ※きちんと税金を払っていること、きちんと年金を払っていること、交通違反がないこと、

     前科がないことなどです。

    ※税金については、もし未納分がある場合はすぐにお支払いください。払ってしまえば

     問題ありません。

     年金については、会社で厚生年金に加入していて、給与から天引きされているような場合は

     問題ありませんが、そうではなく、国民年金も支払われていないという方は要注意です。そ

     の場合はとりあえず直近1年分の国民年金を支払ってください。

    ※交通違反に関しては、過去5年分の違反歴を審査されます。軽微な違反(1点程度)が5回以内で

     あれば、それほど問題にはならないようです。それ以上の違反または、重大な違反(飲酒運転

     など)のある方は要注意です。

 

〈生計要件〉とは?

   ・生計を保てるだけの安定した収入があること

    ※一人暮らしの方は自分の収入で生活していけるかどうか、家族と一緒に住んでいる方は家族

     の収入で生活するのに十分なお金があるかどうかです。会社員の方ですと月収18万円が一つ

     の目安となります。

     貯金額、住宅の賃貸・持家などは関係ありません。ローンなどがあっても支払いが滞ってい

     るのでなければ問題ありません。自己破産をしたことがある方でも7年経過していれば問題

     ありません。

 

〈喪失要件〉とは?

   ・母国の国籍を喪失または離脱できるか

    ※日本では二重国籍は認められません。兵役等で国籍の離脱が困難な場合等は要注意です。

 

〈思想要件〉とは?

   ・日本国を破壊するような危険思想をもっていないか

    ※テロリスト・暴力団構成員などは要件を満たすことはできません。

 

〈日本語要件〉とは?

   ・日本国で暮らしていくうえで問題のない程度の日本語能力があるか

    ※日本語能力検定3級程度の日本語能力があれば問題ありません。面接の際の日本語対応の

     状況を見て、筆記テストが科せられる場合があるようです。

帰化許可要件の緩和(簡易帰化)について


 上記の普通帰化と比較して、本人が日本国と密接な関係がある場合(血縁関係・地縁関係等)に帰化許可の要件が緩和・免除される場合があります。このような場合の帰化を『簡易帰化』と呼びます。特別在留者の方や日本人の配偶者の方が当てはまります。

 簡易とはいえ、要件のハードルが緩和されるだけであり、手続き上の違いは特にありません。

 

『簡易帰化の9つのケース』

日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有する人

 このケースに当てはまるのは、両親が外国に帰化して、自分も外国籍になっている場合です。このケー

 スでは、住居要件が3年に緩和されます。

日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、またはその父か母(養父母を除く)が日

 本で生まれた人

 日本で生まれた在日韓国人・朝鮮人の方の多くがこのケースに当てはまります。このケースでも、住居

 要件が3年に緩和されます。

引き続き10年以上日本に居所を有する人

 在日韓国人・朝鮮人の方の多くが当てはまります。また、一般の外国人の方でも10年以上日本に住んで

 いる方なら、1年以上就労経験があれば帰化され得るのはこの要件に当てはまります。

以上の①~③のいずれかに当てはまる方は、普通帰化で求められる5年の住居要件が緩和されます。

 

日本国民の配偶者たる外国人で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有しかつ、現に日本に住所を有

 する人

 日本人と結婚している外国人の方が当てはまります。日本に3年以上住んでいる場合には、日本人と結

 婚した時点で要件を満たします。

日本国民の配偶者たる外国人で、婚姻の日から3年を経過しかつ、引き続き1年以上日本に住所を有す

 る人

 日本人と結婚している外国人の方が当てはまります。例えば海外で結婚し、その後来日して1年以上日

 本に住んでいた場合に要件が満たされます。

以上の④・⑤のいずれかに当てはまる方は、住居要件・能力要件の2つが緩和されます。

 

日本国民の子(養子を除く)で、日本に住所を有する人

 このケースに当てはまるのは、ご両親だけが先に帰化して日本国籍を取り、子供が後で帰化する場合や、

 日本人の子であるものの出生時に日本国籍を選ばなかった場合などです。

日本国民の養子で、引き続き1年以上日本に住所を有しかつ、縁組み時未成年であった人

 未成年時に親の再婚で来日し、義理の親と養子縁組をした場合などが当てはまります。

日本の国籍を失った人(日本に帰化した後日本の国籍を失った人を除く)で、日本に住所を有する人

 一度外国籍になった日本人が、再度日本国籍に戻る場合が当てはまります。

日本で生まれかつ、出生時から国籍を有しない人で、引き続き3年以上日本に住所を有する人

以上の⑥~⑨のいずれかに当てはまる方は、住居要件・能力要件・生計要件の3つが緩和されます。

帰化申請の手続き


『手続きの流れ』

 帰化申請は在留許可申請と異なり、法務局が対応窓口となります。また、手続きについても代理申請が認められておらず、必ず申請者様ご自身で手続きをしなければなりません。

 以下は、本人申請の場合の大まかな手順となります。

 

法務局にて帰化申請可能か相談(1時間程度)

 まずは、管轄の法務局に予約を取り帰化可能性について相談をしてください。家族関係や仕事についての質問の後、申請が可能と判断されれば収集書類についての提示があります。尚、法務局へ相談に行く場合は

予約を必ず取るようにしてください。

書類収集と法務局での面談

 ①で提示された書類を収集し、再度法務局へ相談に行ってください。この場合も予約は忘れずに行ってください。この時点で「申請の手引き」「必要書類一覧」等がもらえます。

申請書の作成と法務局での最終確認

 申請の手引きに基づいて申請書を作成し、法務局で確認をしてもらいます。書類に不備がなければ申請受付日時を決定してもらえます。

申請・受理

 決められた申請日時に法務局へ行き、申請を受理してもらいます。

法務局での面接

 受理から2~3か月後に面接の日時についての連絡があります。決定した日時に法務局に行き、1時間程度の面接を行います。結婚されている場合は、配偶者も呼ばれることが多いです。尚、面接後に自宅訪問がある場合もあります。

審査期間

 審査では、勤務先への調査などが行われます。日本人配偶者がいらっしゃる場合は、配偶者の実家への訪問がある場合もあるようです。また、申請者様への質問や、追加書類の提出を求められる場合もあり、適切に対応する必要があります。

許可

 法務局担当官から電話連絡があります。また、官報にも記載されます。申請から10か月~1年ほどで結果が出ます。

行政書士に依頼するメリット


 上記の本人申請の場合と違い、①~③の手順が不要となります。専門の行政書士に相談することによって、帰化申請の要件の確認や必要書類の収集・申請書式一式の作成は行政書士が行うこととなります。

 有効期限のある書類の収集などは、計画的に動かなければ再度の取り直しとなってしまうこともあり、手間を大きく省くことになります。また、何枚もある帰化書式の作成による心理的負担の軽減にもなります。

 ご自身での手続きではミスも発生してしまうものです。その点で、プロに依頼することは安心面では大きなメリットではないかと思います。

 ④の申請については、帰化申請は本人申請が原則ですので、ご自身が法務局へ出向くこととなります。その場合でも、行政書士が同行いたしますのでご安心ください。

 ⑤の面接では、行政書士の同行は認められていませんので、ご自身で行っていただくこととなりますが、不安のある方は、注意点等について行政書士のコンサルティングを受けることができます。

 ⑥についても、基本的に本人申請と同じですが、追加書類の提出がある場合や申請時と状況が変わった(引っ越し等)場合についても行政書士が対応いたしますのでご安心ください。

 申請から許可までの時間については、やはり10か月~1年ほどかかります。行政書士に依頼したからといって審査期間が短縮されるという事はありませんが、申請までにかかる時間を考えれば、大幅な時間短縮になります。

もし、少しでも不安があるというのであれば、専門の行政書士への依頼をお勧めします。

代行費用

200,000円(消費税別)~

※代行費用とは別に、実費については別途ご請求させていただきます。また、案件によって難易度等の問題から追加料金が発生する場合がありますので、ご理解お願いいたします。

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